二元代表制…?

2016.12.21

【二元代表制を忘れてはいませんか。】

これは行政の独りよがりな予算執行をチェックするために、広く民意をすくい上げる議員を選び、まっとうな行政たらしめる仕組みだと思います。

ところが最近では「小池新党」という表現に現れているように、東京都知事でありながら行政の執行を「意のままに」するためか「都議会議員選」に、小池塾から政治家を育てるという姿勢に賛同するかのような報道が目立ちます。

その背景には国政だけではなく、地方議会の代表者の「政治活動費」を巡る不正事件などが全国で見られることや、既成政党の下部組織的な動きを本旨とするような長い歴史、また二世、三世、場合によっては四世議員というまるで世襲制のような議会構成に慣らされてしまったこともあるのでしょう。

強烈な権力と人気を持っている知事が、議員選挙に向けた動きを平然とすることが、まるで当然であるかのようなニュースを見かけて、不思議な既視感にとらわれています。

橋下氏の「維新塾」の「成功(?)」に刺激された動きなのでしょうね。その維新は既に国政野党第二党になっている「実績」から、報道も「当然の動き」であるかのように伝えています。

振り返って、大阪では市会議員選挙や府議会議員選挙で橋下氏が応援に来る(録音メッセージでも)だけで、ろくに街頭演説もできなかった人が続々と当選し、市会第一党、府議会単独過半数という結果を残したのは記憶に新しいところです。

テレビが名前を伝えるだけで、しかも「演説ができない」ことを伝えているにもかかわらず堂々と当選したことに驚き、呆れた記憶があります。

その議員たちが今、大阪市の廃止、分割を目論む住民投票をまた仕掛けようとしています。去年の5月に決着済みの議論を蒸し返す方向です。そして、この間、住民自治という観点からは全く関係のない議論に労力を割かれ、ますます地域が疲弊していることには一顧だにしない姿が続いています。

小池塾の講師に竹中平蔵氏が来たそうですね。これだけを見ても、決して庶民のための政治を目指しているとは思えないのです。

「都民ファースト」というキャッチィなコピーで大量得票された小池知事には、是非「都民」のための行政とは何か、知事として「手垢のついた政治手法」ではなく臨んでいただきたいし、【二元代表制】が本来目指している姿を「権力者」として行動して頂きたいし、完全に既得権益化している地方議会の実態を広く「都民」に知らしめる必要があると思います。

余りにもニュースやバラエティで「東京都」「オリンピック」問題ばかりが流され続けており、カジノにしか「経済再生」を望むしかない地方財政の疲弊した現実から目をそらされ続けている多くの方に、日本の地方自治でダントツの力を持っている東京都が手本となるような流れを導いてほしいと思うのは私だけでしょうか。