大阪市の住宅まちづくり政策史

2016.08.24

自宅に一冊の本が著者謹呈で届けられました。
大阪公立大学共同出版会の「未来へ手渡す HOUSING POLICY」~大阪 住宅・まちづくり政策史というタイトルの本です。

書影HOPE
著者は私の市長時代に副市長をお願いした北山啓三氏。
届いたばかりでまだ全部を読めていませんが、その章立てや北山さんの実直なお仕事を目の当たりにしてきた私にとっては、この時期にこうした大阪のまちづくりの歴史をまとめる作業をしていただいたことに感謝する思いでご紹介します。

戦前の住宅政策から紐解いて、第2章では戦後復興期の住宅政策、第3章人口回復に向けた住宅・まちづくり政策、第4章「大阪市HOPE計画」と都市居住の活性化をめざす住宅・まちづくり政策、終章の第5章は住宅・まちづくり政策の今後の展開方向となっています。

2007年市長に就任した時点では、私には全く知識のなかった大阪市のまちづくり政策について、当時都市整備局長をされていた筆者から、わかりやすくHOPEゾーン事業等のレクチャーを受け強い印象を持ったことを覚えています。

氏は定年後、大阪市住まい公社理事長に就任されたのですが、大阪市の住宅・まちづくり政策に是非お力を借りたいと副市長になってもらいました。

様々な時代の波が大阪市に押し寄せた中で、何といっても關一市長時代の先駆的な取り組みと、その理念をどう現場が継承してきたのかがこの一冊に収められていると感じます。
第17代關淳一市長の後、市長に就任した私ですが、HOPEゾーン事業の成果をこの目で見る機会にも恵まれ、巨大自治体が抱える矛盾の山積の中で、大阪市が持つ力と地域の方たちの力を集めればこのまちの潜在力はまだまだあるという実感を得られた経験にもつながりました。

またぞろ大阪府と市の統合話が進められようとしている中で、上から目線の都市計画ではない「住み心地良き都市」を目指した關一市長時代の遺伝子が甦ることを祈って多くの人に目を通してもらいたい思いです。

大阪府公立大学出版会の当該著書HP