大阪市を守る活動にご賛同頂いた皆さまへ 2015.05.19
私の後援会「翔の会」のホームページ、依然として住民投票への反対票をというトップのままですが、少しの間記念にこのスタイルで続けます。お許しくださいね。
さて、歴史的な住民投票で「大阪市廃止・分割構想」、いわゆる「都構想」に、1万741票差でNo!の判断が下されました。
投票日から2日経って、新聞や、放送などのメディアでは橋下市長の「政治家引退発言」を惜しむ声が溢れています。極めて日本的な風潮だと感じると共に、私たちが反対の論陣を張った理由の分析も『一応』されているようですが、単に「反対のための反対をした人たち」という印象を持たれている人に異議を申し立てたいです。巨額の広告費を使って連日テレビCMを流し、膨大な折り込みチラシやどこにでも貼ってある笑顔のポスターの洪水、オレンジ色のTシャツ動員。これだけのお金を使った結果として、よく反対票が上回ったなと正直思います。
もし、これが逆の結果になっていたらと思うと、心の底から「大阪市」をなくさないでという訴えに応じて頂いた方が多かったことに安堵しています。反対票を入れて頂いた皆様に心からお礼申し上げます。
「大阪都構想」というネーミングで、大阪維新の会という地域政党を立ちあげ、多くの市民の賛意を得て大阪市長になられたのですが、「大阪都構想」自体は大阪府のもう一つの政令指定都市「堺市長選挙」で野望を打ち砕かれました。それ以降は名前こそ「都構想」ではあるものの、単に大阪市廃止・分割に向けて全力を尽くしてこられたわけです。
今回の「特別区設置協定書」と住民説明会用に作成され、全戸配布された全40ページの説明パンフレットを見比べてみて、不思議に思われませんでしたか。協定書の是非を問う住民投票であるにも関わらず、説明パンフレットに記載された長期財政推計について平成26年7月23日の特別区設置協議会資料として掲載されていることです。このときは協議会メンバーは維新のみで、その資料自体他の会派の方の精査を経ていないものです。そして10月に府市両議会で否決された「協定書」の元になる資料です。
しかし、年末のどんでん返しでゾンビのように同じ協定書が復活しました。そんな数字の実態を今回反対の声を大きく上げておられた方たちが一つずつ丁寧に地域で説明されていました。一方、住民説明会自体は「僕の説明会」との発言が問題視されたように、あくまで都構想ありきでひねり出された数字を元に行われ、多くの人たちがそれが真実だと思わされてしまったという側面もきちんと捉えなおされねば分断された市民感情をまとめることは難しいでしょう。こうしたことをきちんと押さえつつ反対票が上回って良かったと思われる市民が増えることを祈ります。
住民投票直前のメディア露出では、知事、市長経験があることをまるで「全能」であるかのように振る舞われていたことに違和感を感じました。なぜなら、この3年半、大阪府・大阪市の課題に松井知事・橋下市長という維新のツートップで真摯に向き合ってこられたのかどうかという点が見えてこないからです。種々の団体が大きく反対を唱えられたのも、強引ともいえるこうした手法に対する反発であり、多くの市民団体が反対の声を上げられたのも同じだと思います。
政令指定都市制度自体の問題点や、地方財政制度の問題点に国に対してどれだけ突っ込まれたのか。地方政治、行政を政争の具に落とし込むことに全力を注がれた活動を続けられ、選挙に勝てば何でもできるという姿勢のみを強調されたのではないでしょうか。既得権益集団というレッテル貼りで「自らに与しないものは去れ」と言わんばかりの強硬な姿勢を続けられたことは、利害が対立しても、その調整役として様々ないのち・暮らしを守るべき公共の姿とはいえないと感じ続けていました。
これは橋下流の敵を作り出し、叩き伏せることで多くの人に「改革者」と勘違いさせる手法そのものだというのが私の印象です。
「橋下さん政界から引退しないで」という声が主流のように伝えられていますが、折角市政に協力してくださっていた人たちを分断し、二元代表制の議会を軽視し、維新の会に賛同しないものを敵視するための「大阪市悪者伝説」を長年にわたって流布し続けたことで何が起きてしまったのか。そこに多くの傷ついた市民がいることを是非認識して頂きたいと思います。私自身も様々な維新の会のタウンミーティングで引き合いに出され、街頭活動では、それを信じた市民から罵声を浴びせかけられることが度々あり、その度に傷つきました。
政界から完全引退されるのであれば当然維新の党最高顧問でもなくなるのでしょうし、大阪維新の会代表からも降りるとみるのが普通です。また江田代表も辞任と伝えられ、後任には松野幹事長が有力だと伝えられています。「特別区設置協定書」の問題点を指摘され、私の第1版のチラシでも引用させていただいた藤井聡京都大学大学院教授に対し、維新の党の松野幹事長がどう反応されたかは藤井先生のホームページにまとめられています。(「藤井聡に対する『公権力からの圧力』の経緯」の中段から)
住民投票が実施されるのが確実となって以来、私の後援会「翔の会」にご賛同頂いた皆様のご寄付を元に、投票日100日前の2月7日から街頭でチラシ配りをさせて頂きました。「翔の会」は政党や団体のバックアップもなく、完全に個人の方たちの思いを集めた小さな後援会ではありますが、多くのボランティアの皆さまに支えられ、住民投票までの間に2種類のチラシ23万部を何とか配布して頂きました。
また、「おもちゃにさせへん」というポスターは600枚ほどをお送りし、ご自宅や所有の場所に貼付して頂きました。本当にありがとうございました。
このホームページでは「住民投票で反対票を」という私たちの活動を後日一まとめにしたいと思っております。また、近々皆さまからのご意見を頂けるような形も作りたいと思っております。よろしくお願いします。