HOME > 「チャレンジ大大阪」へのメッセージ INDEX > 釈 徹宗(相愛大学人文学部教授、浄土真宗本願寺派如来寺住職)

「チャレンジ大大阪」へのメッセージ

釈 徹宗(相愛大学人文学部教授、浄土真宗本願寺派如来寺住職)

釈先生の登場です。これで、市長在任中2009年10月にナカノシマ大学キックオフイベントの3人が皆さん揃って寄稿してくださいました。後に「おせっかい教育論」として出版に繋がったメンバーです。

あれ以来、もう6年の月日が経っているのですが、つい最近のようであり、とても昔のようでもあります。しかし、こうした方たちと知り合えたことを、市長になった大きな余禄(というには大きすぎる)であると同時に、「チャレンジ大大阪」へのメッセージをお願いできることを心から幸せに思います。

釈先生は池田のご自身のお寺の横に認知症の方たちの施設を作られたり、曽根の駅近くに寺子屋「練心庵」を開かれたり、相愛大学でユニークな講座を数多く展開されたり、何しろ知識の塊のような方です。
メッセージです。

「年内に大阪知事・市長ダブル選挙が行われる予定です。今回の選挙は、起債許可団体に転落してしまった大阪府の命運のみならず、これからの日本がどの方向へと進むのかを見極める重要な岐路となりそうです。

 しばしば「大阪人は政治に無関心」などと言われますが、そんなことはありません。「誰がやってもあまり変わらない状況」と、「ここは真面目に考えねばならない事態」をよく見極めている人は少なくありません。今、大阪の人々は真剣に政治や選挙について考えています。

 そんな中、気になるのはやはり「大阪の教育や文化が急速に痩せている」ということです。変なビジネスモデルを持ち込んだために、もともと大阪が内蔵していた特性やポテンシャルが発揮できないでいる、といった印象を受けます。また、本来大阪は宗教性豊かな都市なのですが、それも枯れている。

私たちは「大阪」を取り戻さねばなりません。したたかで、粘り強く、クール。その一方で、弱者が集い、工夫しながら暮らす街。しんどい子供を丁寧に育てる学校、庶民的で豊かな文化・芸能、そして篤い宗教心。それが大阪という都市の方向性だと思うのです。

 以前、元大阪市長の平松邦夫氏が、「実はもう政治から離れたいという気持ちもある。というのも、今の大阪の政治に関われば関わるほど、自分がどんどん嫌な人間になっていくから」と語るのを聞いたことがあります。これはけっこうショックな発言でした。

あらためて、「荒れた言葉が跋扈し、誠実な態度が評価されない、そんな大阪になってほしくない」と痛切に思いました。今回のダブル選挙は、「もう一度大阪の物語を取り戻す」といった方向へと進んでほしいと念願しています。」

釈先生にだから何でも話ができてしまうのでしょうね。でも、今の大阪から逃げるわけにはいかないのです。

SNS