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さて、何の文書でしょう。 2015.08.18

これが何の文章かお分かりになりますか。

【大阪が直面する様々な課題を解決するには、統一した戦略と政策協調を可能とする府市の新たな枠組みを速やかに構築していかなければならない。大阪の置かれた現状・課題に真摯に向き合い、これまでの府市の関係を反省し、危機意識を共有して将来に向け対応していくことが必要である。

 そのためには、府市間で徹底的に政策や制度に関しての協議を行う必要がある。大阪にふさわしい自治制度や政策を国に提案するためにも、特に、現行の府市の関係を抜本的に改革していくための新たな大都市制度を作り上げていくためにも、府市が別々に国へ提案するのではなく、府市が十分に協議をして共同して制度改正を求めることが必要である。

府市間で自主的な協議をスタートさせ、次のステップとして、条例に基づく協議機関の設置などにより協議を制度化し、さらには、住民投票など様々な方法によって住民意見を反映するなど、大阪が抱える課題を一刻も早く解決するために協議を尽くして大阪にふさわしい政策を実現できる大都市制度を作り上げていくべきである。】

橋下知事の肝いりで設けられた大阪府自治制度研究会の「最終とりまとめ」本文17ページからの引用で、第2章の「新たな府市の枠組みの構築に向けて」の導入部分です。pdfファイルはこちら

今から4年前の平成23年1月27日付発表です。この最終とりまとめに至るまで前年の6月から10回の研究会が開かれました。ところが、大阪維新の会の知事、市長は府市統合本部にしても、大阪都構想と呼ばれたものにしても、こうした面倒な手続きを一切飛び越えて、自らの野望を遂げたいがため、何としてでも「住民投票」に持ち込みたかったのでしょう。4000億円もの効果が出るという嘘から始まり、経済効果に重点を置かないと変節し、単に「大阪市を潰し、5つに分割する」野望に突き進んだ日々でした。

その野望は5月17日に潰えました。

この文章の「協議を尽くして」というものが本来の行政、政治の在り方だと思いますが、自らと違うものは頭から否定することしか考えられないお粗末さしかこの間の大阪会議騒動では感じられませんでした。

維新の会がいう「都構想」は終わったのです。賛成票を入れた方も、反対票を入れた方も具体的な協議の場を通じて何が問題であったのか、余りにもお粗末な協定書を提出した側が、いつまでも混乱の先頭に立ってどうするのだという怒りがこみ上げてきます。

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