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府市大学統合議論の前に 2015.12.17

大阪市大と府立大学の統合が具体的に進むのか。大阪市民、府民に示されねばならない情報として、その歴史的意義や現況を冷静に分析することも重要だと感じる。市大・府大ともに長い歴史をもち、その果たしてきた意義などを検証することも当然なさねばならないだろう。

何しろ「改革」という掛け声さえかければ、まるで錦の御旗のごとく「ありき」で話が進められることで果たして大阪の将来像を描けるのか。この間の維新府政・市政の流れの中で「変えれば良くなる」という余りに一方的な考え方を押しつけられていることに気づく人たちが増えなければ、この大学の統合話も、公立大学の使命という本来の視点とは違う、経営感覚での取り扱いになるのではないか。そんな危惧を持っている。

住民投票までは「大阪市の廃止・解体を考える市民の会」という名称で、中野雅司さんが世話人代表として、多くのボランティアが協力して様々な学習会を開かれてきた。その会が「大阪市を知り・考える市民の会」に住民投票後改称し、立命館大学森裕之教授の協力を得て「大大阪時代から見る大阪」と題する連続学習会を計4回。「戦後の大大阪を考える」と題した「大阪府政」の歴史については計2回開かれた。私の「公共政策ラボ」も共催させてもらい、講義動画のアップなども告知してきた。

中身の濃いシリーズを「動画をご覧ください」だけではなかなか届きにくいので、副読本的に私のホームページなどでエッセンスをご紹介しようと思い、まず、大学統合問題の入口を書きたいと思う。大阪市立大学の沿革を森先生が解説した第3回学習会は去る9月8日に開かれた。

2013年1月に開かれた「大阪府市新大学構想会議」の資料から紹介された、森先生のレジュメの中で、府大・市大を検証してみるとという部分が興味深かった。
・両大学は、保健医療系や理工系、基礎的研究や大学院による研究者養成といった、採算が取りにくいことから私立大学では十分に担いきれない分野を中心に展開してきた。
・少人数教育を維持するなど国立大学に近い特徴を有している。
・公立大学の使命である地域貢献について高い評価を得ている。
・学生一人あたりの運営費交付金は他の公立大学と同水準であり、国立大学よりは低い。
・教育・研究水準などは国立の基幹大学に次ぐポジションを占めている。
・運営費交付金は公立大学法人化後、急激に減少している。
・両大学は大幅な人件費削減を実施するとともに、府立大学では、3大学(府大・女子大・看護大)の再編統合や教育研究体制の改革など大幅な改革を実施した。(・)以下は講義レジュメからの引用。

森先生はポイントを幾つか上げられたが、
1)市立大学と府立大学の統合ではなく「廃止」である。
2)検証してみると現状に欠点は見当たらない。(上記具体内容)
3)批判するものがなく、良くやっている。
こうした例を上げられているにもかかわらず、いきなり「世界の大学と戦うには強みも際立っていると言いがたいから…」という結論に結びつけていると指摘された。つまり「ありき」で進められる中に大学当事者は入っていない会議で進んでいる。

市大の統廃合問題に触れておられる部分への動画リンクはこちら。 (動画再生は75分時点から。全体では84分。大阪市大創立の沿革など、是非全体を通してご覧いただきたい)

この学習会で触れられた大阪市大を作ろうとした關一の思いが、長い年月の中で変化せざるを得ないのは重々承知のうえではあるが、壊すことは簡単であり、この議論を契機に公立大学が目指すべき地方の活性化と独自の視点を磨くための開かれた議論を求めたいし、それが市民、府民を代表する議会の役目であろう。

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