大阪ウォッチング8
2016.04.24
4月24日号大阪民主新報への寄稿です。
題して「放置自転車ワースト1が…」です。
テキストです。
「少し前の毎日新聞ウェブ(4月5日)にうれしい記事が掲載されました。放置自転車 ワーストから奮起、大阪市6割減というタイトルです。
街頭犯罪と並んで放置自転車の多さは不名誉な「大阪の顔」でもあります。ところがこの記事によると2015年度の結果が、前回13年度調査でワーストを脱した(2位)が、それを更に上回る結果になるというもの。
講演に招かれたとき、大阪市長としての経験からくる話をという要望に、街頭犯罪の多さと放置自転車対策をよく例に出します。多くの市民や企業、商店街の皆さんと職員が一体となった取り組みを始めたのが08年後半だったと思います。
何しろ政令指定市街頭犯罪8項目の全てで大阪市は「堂々の1位」でした。街頭犯罪に代表されるひったくりの多さに加え、市内を走り回っているときに嫌でも目に入るのが放置自転車の多さ、乱雑さ。職員チームと一緒に様々なところに出かけましたが、点字ブロックの上はいうに及ばず、2列、3列になって「放置」してある自転車を見ては、しょっちゅう「何とかしたいなぁ」とため息をついていました。
行政が強制力を働かせて「排除」するだけでは本当の取り組みにはならないと、当時の側近と相談し、市民と直接接点がある局や、管理している局など組織の枠を超えた取り組みをしてもらいました。
繁華街で「即時撤去」できる面的規制と同時に、地域の協力者を募りサイクルサポーター制度を充実、民間の知恵を借りながら有料駐輪場の増設を仕掛けたのです。字数に限りがあるので細かくは書けませんが、計画調整局、建設局、市民局などと連携しハード面、ソフト面で知恵を出し合ってもらいました。
それがある程度軌道に乗り始めた時にある職員からこんな話を聞きました。「市長、カナダから友人が3年ぶりに大阪にやってきて驚いてました」「ん?何を」「大阪の街が歩けるようになった。あんなに自転車が乱雑に置かれていたのに」
正直、嬉しかったですね。
勿論、撤去された人からの抗議の電話も半端ではなかったようですが、08年度から現在まで整備された駐輪場が2万3600台分。一定規模の施設には駐輪場の義務付け条例などなど。
カウントの仕方にもよりますが、1位の大阪が5万台。続く横浜が2万5千台という「絶望的」に見えた数字が、この記事では3974台だそうです。息の長い取り組みこそが「市民協働」を根付かせますね。あちこちでお世話になった方たちのお顔が浮かんできます。」
大阪スポット(写真)は淀川でした。
「淀川には花火大会に限らず多くのボランティアの皆さんが活動してくれています。河川敷のごみ集め、水辺の生態を子供たちに教えたり、一緒に活動したり本当に多くの方たちの努力が見られます。何しろいのちの源ですから。」