大阪ウォッチング11(最終回)
2016.06.05
6月5日号の大阪民主新報への寄稿です。
今年1月から隔週で書かせていただいたこの欄も今回で一応の最終回とさせていただきます。
題して~「夢」を語ることの大切さ~です。
テキストはこちらです。
「大阪ウォッチングというタイトルですが、今回は「原発」に関して書きます。
東日本大震災がもたらした価値観に対する地殻変動の中で最大のものは「原発」の安全神話の崩壊だと思います。きれいで安全、安価な発電設備という謳い文句で全国に原発が作られ、核廃棄物はどうするのという単純な疑問も、高度経済成長の担い手としての電気需要や、旺盛な消費意欲にかき消されて長い年月が経過しました。
福島の原発事故の深刻さについても、インターネットの発展によって「知らなかった情報」が海外から流入してその深刻さに気付かされることを何度も経験しました。
日本の産業発展や高度成長を支えた裏に、「今が大丈夫だから大丈夫」的な側面ばかりではなく、本当に「安全で安心」と信じている少なからぬ人たちもいるのでしょう。ある意味、情報公開とは名ばかりで「情報を管理できる社会」とでもいえる様相を呈しています。
大都市の電気需要は都市インフラと産業・ビジネス基盤にとって欠かすことはできないという常識の上で私たちは育って来ました。一方で何から電気を作るのかという部分では「原発安全神話」を信じたいという思いに自らを置いていたのではないのかとも思います。電力の自由化という大きな流れが現実のものとなったとはいえ、同じ電線を通って運ばれてくる電気の便利さに慣れきっている私たちの生活に、どういう変化をもたらすのかはまだわかりません。
日本の「力」とは地球温暖化を防ぎながら、新たなエネルギー源の研究を世界に先駆けて大胆に取り組むことではないでしょうか。そうした「夢」を語ることが政治の世界で表に出てこないのが不思議です。
5年前、福島で被災した方たちに大阪市が全国に先駆けて市営住宅の提供を発表、転居してすぐの必需品は行政ではゆき届かず、地域の方たちが自主的に手配してくれたことを思い出します。そうした恊働のありようを模索しながらも、力のある大都市では新エネルギー開発に力を入れているところも幾つか思い浮かびます。
地域と直接行政、地方行政と国の支援という連携が作用するためにもエネルギー問題のみならず色々な「夢」の実現に向けた積極的な発信を国が心がけて欲しいし、担当官庁もその動きに協力して欲しいと思います。
短い期間でしたが、自分の思いを綴らせていただきました。今後も大阪ウォッチングを続けながら国政にも大いに目を向けていきたいと思います。また、どこかでお目にかかりましょう。」
私のおおさかスポットは長居公園です。
長居公園に行くとこの近くに住んでおられる人を本当に羨ましく思います。緑の少ない大阪市内で圧倒的な広さを誇り、様々な施設が充実。昔は競馬場と競輪場があったことを知る人も少なくなりました。心休まる場所です。